第2章 製品化するまでの壁

内田 2013年1月某日 社内で製品化に向けた提案をする機会を得た内田ディレクター タワーメカは、粛々と研究を進めていたので、 一定の完成形にはなっていましたし、 製品化する上で問題となっていた、タワーメカと ゲーム性との結びつきも解決の糸口が見えていたので、 企画の提案を行いました。 この時提案したゲーム性は、現在のバベルのメダルタワーとほぼ同じ構想に なっていました。 しかし、現在ゲームセンターが抱える大きな壁が立ちはだかりました。 高すぎる!! 内田 ここでの「高い」はメダルタワーの高さ…ではなく(笑) 開発費や量産コストの事です。 多くのゲームが集まるゲームセンターですが、 集客力があるのはアニメのタイトルを冠につけたキッズ向けカードゲームや、 リズムゲームなどです。集客力が未知数な製品はコストパフォーマンス重視 というキビシイ現実がありました。 こうして、コストの壁にぶつかった15人のチームは… 解散!! 若干打ちひしがれながらも、 タワーの事は忘れてもっと安く作れるものを考えようとしていた時、 福岡はふと、ゲームセンターからの要望を耳にします。

「小型プッシャーメダルが欲しい」 やっぱりプッシャーのニーズはあるんだ!!と感じ、 コストを抑え、より多くのお店に置いてもらうことで、 コアユーザーだけでなくお年寄りからお子様まで気軽に遊べる タワーメカを使ったゲーム機をもう一度提案してみよう!と 思いました。 こうして、再び内田と福岡は、コストダウンを徹底的に意識し、仕組みや 素材などを全て1から見直し始めました。 大型機が大きさ的に置けない店舗や、なるべく安く新商品を購入したい店舗に 置いてもらえるよう、企画を練り直したのです。 内田 実は、ゲームセンター運営を行っている部門の方の応援も ありました。現在稼働している機械が2年後くらいで 製品寿命をむかえるので新しいものに入れ替えできる ような機械がほしいと。 福岡 そういえばこの時点で、コストダウンのため、 メダルの払い出し口が手元ではなく、足元についていましたね。 プレイヤーの立場になれば手元に払い出される方が楽で いいのですが… 承認を出してもらう為にはあきらめるしかなかった… 内田 ただ、最終的にはショッピングセンター販売担当の 販売員からの強烈なプッシュのおかげで、コストアップに なっても、手元に払い出す仕様で承認をもらいました。 2014年1月、再度社内に提案。 できるだけコストダウンを行ったという事も通じ、 会社からようやく正式にゲーム開発のGOサインが出たのです! これで後は作るだけ!やったねバベルのメダルタワー!!

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